きれいな水に還るまで
How Drainage Works
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私たちの生活を支えるために使われる水が、
きれいな状態で川や海に戻るようにするための
排水処理の仕組みについて
わかりやすくご紹介します。
排水処理のステップ
工場や施設から出るたくさんの汚れた水を、環境に優しいきれいな水に戻すための「排水処理システム」は、いくつかのステップに分かれています。そのステップのひとつ一つをくわしく見てみましょう。
工場や施設では、たくさんの水が使われています。その水にはいろいろな汚れが混ざります。汚れた水をそのまま捨てると、川や海を汚してしまうので、きれいにしてから外に出す必要があります。
汚水を細かい網目でできたスクリーンに通し、汚水に混ざっている大きめのゴミや汚れを取り除きます。
油は水より軽いため、時間が経つと自然に浮き上がるという性質を利用し、汚水を油分と水に分離させます。
効率よく安定した排水処理を行うためにはシステムの運転が一定していることが大切です。そのため、システムに流入する水の量やスピードを、「流動貯水槽」で調整します。
排水の中に含まれている汚れを、微生物に食べてもらいます。
槽の中には微生物が繁殖を助けるための「接触材」が入っています。接触材は、プラスチックやセラミックなどをスポンジ状や網状にしたものが多く使われています。アクアシステムでは、火山灰を原材料とした接触材を使用しています。
曝気槽では「ブロワ」と呼ばれる装置で、槽の中に空気を送り込み水の中に酸素を混ぜて、微生物の動きを活発にさせます。この仕組みを「曝気(ばっき)」と言います。
最初の曝気槽で大きな汚れを分解し、次の曝気槽で細かい汚れを分解します。
曝気槽で処理された汚水は「沈殿槽」に送られます。水に含まれた小さなゴミや微生物の死骸などを時間をかけて沈めます。沈殿物は「汚泥貯留槽」で脱水処理を行います。脱水処理後の固形物(脱水ケーキ)は産業廃棄物として焼却処理します。水分のほうは再び「油分分離槽」へ戻します。
沈殿槽での処理後、さらに曝気槽に水を送り込み、取りきれなかった汚れをしっかりと分解します。
同様に沈殿槽で固形物を沈殿させ、沈殿物を汚泥貯蓄槽に送ります。
最後に消毒槽で薬品(たとえば塩素など)を加えて、目に見えない微生物を殺菌・消毒します。これにより、水の中に残っている病原菌や有害な細菌が死滅し、川や海に流しても安心できる水になります。
浄化後の水を河川・海へ放流します。
水の変化の様子
水がきれいになる様子を、写真で見てみましょう。
番号を上の図にあわせていますので、どのステップで水がどう変化しているかも確認してみましょう。
写真の水は、食品加工工場から排出された水です。
1、排水直後の汚水
汚れた水の中に、固形や油などが混じっていることがわかります
2、固形を取り除く
「スクリーン」と呼ばれる装置で固形のゴミを取り除きます。
3、 油を浮かせた状態
時間をかけて、汚水の中の油を浮かせた状態です。
4、油を取り除いた汚水
油分を取り除いた汚水の量を「流動貯水槽」で調整し、システムの運転を安定させます。
5~8、曝気槽の様子
ブロワで空気を送り込み、微生物の分解活動を助けています。
5~8、分解が進んだ水
しっかり分解が進んでいるため、水をすくい上げると汚物と水がすぐ分離します。
10、消毒槽の水
排水処理完了です。