未来へ向けて
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社会、そして未来の「水を守る」
縁の下のプロとして
排水処理システムの歴史は、古代ローマの下水道に由来し、日本においては、江戸時代に雨水や生活排水の処理ができる下水路の整備が排水処理システムの始まりとされています。その当時から江戸では、汚物を肥料として再利用する循環型のシステムが確立していたそうです。しかし、水を浄化するという仕組みがなく、未処理の汚水がそのまま自然環境に放出されていました。さらに、明治以降、西洋技術の導入が進み、都市化に伴う未処理の汚水が河川に流入し、公衆衛生や環境問題が深刻化しました。
1960年代から70年代にかけての高度経済成長期には、工場排水による深刻な水質汚染や公害が発生し、政府や自治体は排水処理に関しての厳しい規制を整備しました。それに伴い浄化技術や下水処理施設の整備が急速に進展しました。業界全体の研究成果と技術向上が実を結び、活性汚泥法や生物膜処理技術が普及、汚染物質を効果的に除去し、浄化された水を安全に河川へ放流するシステムが確立しました。
「汚れた水をきれいにし自然に還す(かえす)」。文字で表すとシンプルですが、これを実現するために、私たちは土木・建築・電気・設備工事・化学など幅広い分野の高度な知識と技術を駆使して日々仕事と向き合っています。決して表舞台で脚光を浴びるようなポジションではありませんが、社会経済を支え、環境保全と資源循環に大きく貢献できることに、私たちは誇りを持つとともに、重要な役割を果たす責任があるというプレッシャーを日々感じています。
21世紀に入り、SDGs(持続可能な開発目標)の採択に代表されるように、環境への配慮と取り組みは社会全体の必須課題となっていますが、その中で排水処理の分野は必要不可欠な存在としてこれからも期待され続けることは明らかです。
その一翼を担う者として、これからも知識を携え、技術を磨き、邁進し続ける所存です。
有限会社アクアシステム
代表取締役 小野川清幸